こんにちは。鈴木Booksの店主です。
突然ですが、こんな会社はありませんか?
わずか3〜5年で、熟練技術者の退職、期待の若手社員が次々に離職。
きっと心当たりがある方も多いと思います。(少ないことを祈りたい)
熟練技術者の退職は定年退職が主なので、一旦置いておきましょう。
ここでは、若手社員の離職です。
1~3年目だと、基本的に自分には合わないという理由で離職されることが多いと思います。中には期待のエースといわれるような方も離職する場合はあると思います。
問題は、30歳前後でもうすぐ1人前くらいになりかけている方の退職です。
人が退職を決意するには大きく分けて4つあると考えています。
1、環境、2、賃金、3、人間関係、4、評価
この4つのうち、2つ以上で改善無理となると人は退職を決意します。
店主の場合ですが、
1社目→環境(成長のため)
2社目→環境(成長のため)
3社目→環境、人間関係
で決意しました。
1社目と2社目の退職理由はもっと難易度の高い業務がしたくなったが故です。いわゆる成長のためってやつです。
また2社目退職時は技術士を持っていたので対外的な評価はある状態、金もいずれついてくるという状態だったので、いわゆるポジティブ転職。
問題は3社目。「せっかく入った大手じゃん」という人もいるでしょう。
(3社目は建設コンサルというくくりでいうところの大手企業)
しかし、運悪くとんでもない案件を担当する羽目になり(4か月の残業時間80時間超え)、それが原因か上司(部長)の風当たりが強くなり、上司からなんとか逃れようと必死に戦うという前代未聞の状況。
同時に始めた鈴木Booksは一定の成果があり、訪れた方が1冊と出会って幸せにするというコンセプトでやろう。だがしかし、このままここで働き続けても幸せになる気配ねえぞ、と思い、退職を決意。
独立を目論むも、4社目から「週3日でもいいから来てくれ」と請われ、転職決意。
役に立ったものは、技術士の資格と管理技術者の実績。これは全て2社目の会社で得ていたもの。(なんつー、皮肉な話。)
おそらく店主の場合があまり一般的ではなさそうなので、この事例は割愛していいですが、建設コンサルタント業界で評価されるものは、間違いなく資格の有無とそれに付随する実績です。
これは1番大変です。なぜか。
技術士の取得までにかかる時間は最低でも入社5年目(大卒、JABEE持ちの場合)、RCCMだと入社8年目(大卒の場合)です。
受ける年になるまでに時間がかかりすぎます。
中小の建設コンサル会社にはそもそも大卒がいないケースもあります。
そうなるとRCCMの受けられる年数はトータルすると変わらないので(専門学校卒が9年)資格を取得してもらうには最短で10年居続けないといけない計算です。
つまり、専門学校卒業、就職(21歳)から数えて9年。RCCMの場合は、30歳になるまで受けられない計算です。
足掛け10年は最低でも同じ会社にいなくてはならない計算です。
その間に会社から適切なフィードバック、給与等の評価が不透明で、自分は全く評価されていないと感じたら…
しかも、なんの気なしに登録した転職サイトの会社の方がちゃんとしてそうと思ったら。
基本給、残業代やボーナスを適切な額をもらっていないと感じたら…
建設コンサルタント業界はスーパー売り手市場なので、そんな会社1発でアウトです。応募しないでしょうね。
環境だって重要ですよ。
「駅から近くなくなったら私転職するから」と店主は同僚に常々言ってます。
例えば昼ごはんを食べる場所があるかも重要なポイントという人もいます。
中には店主のように、個別の業務を通してもっと成長したいと思う輩もおりますよ。
人間関係はいいでしょうね。
小さい会社になればなるほど、人間関係が悪化した時の逃げ場はありません。場合によっては部署異動する場もないくらいの小さい会社もありますからね。
仮に大きい会社でも部長相手じゃしょうがないね、とその上の支社長に店主は言われましたから、人間関係は最大の鬼門な部分はあるかもしれません。
いずれにしろ、どんなにいい人と言われる方でも合わない、何かが許せないの積み重なりでいろいろと崩壊します。(←マイクロマネジメントといいます)
で、企業が1番アプローチできることは、評価・フィードバック機能です。
とはいえ、建設コンサルタント業界の場合は、
①工期内に適切な品質管理を行いながら成果品を納入したか
②お客様からの評価
③同僚からの評価(最悪なくてもいい)
④業務で利益をきちんと出しているか
⑤本人の希望に合う業務、レベル感の合う業務を与えているか。
だと感じています。
ここで問題になるのは、
①品質管理の文書だけ作って事故だらけ
→そこは評価に織り込みましょう
②お客様からの評価があたり触りになる。
→打合せや完了検査時に営業や他の人を同席させ、他者から見た評価を入れましょう。
④付き合いとかで利益の出ない業務ばかり押し付けられる
→根本的な原価管理が間違っているので、営業戦略から見直すこと。
それでも評価しないといけない場合は本人に納得いく説明(杓子定規ではない共感等感情に寄り添えるもの)をし、次年度で利益を出せたら適切に評価すること。
でしょうか。→は店主の思う評価への対処です。
技術士試験で言うところの、「解決策に生じる新たなリスクと対策」です。
これらを定量的に評価できる仕組みを作り、適切み評価方法として運用すること。
評価の仕組みや内容は絶対に全員が納得するものではありません。
トップがいれば下位もいます。
なので、適切なフィードバックは必要になります。あまりにもマイナス評価が続いたらやる気はなくなりますからね。(2社目でそれらしきもの見ました)
「なんであいつが」となっても、客観的に見た評価基準が明確であれば、「まあそうだよな」となります。
1番最悪なのは、言ったもん勝ちになることです。
4社目で昔あったのですが、社長のところに行き、「なんで低いんだ」と抗議したら、「じゃあ、給料上げてやる」となんの根拠もなく言ったそうです。
おそらく、多くの人がそれを聞いて辞めたくなったことでしょう。絶望でしかない。(さすがの店主もドン引きしました…)
評価制度とそれを踏まえた賃金制度の構築も重要です。
ボーナスだけに使用するのか、賃金の定期昇給に使用するのか、両方に使うか。
ここに関しては答えはありません(2社目と3社目ともに扱いが異なった)ので、これから制度設計する会社さんは自社に合う形を選択すると良いでしょう。
⑤ですが、成長意欲の高い人には積極的に、本人がしり込みしてようが「お前ならできる」とのたもうて、仕事を与えてください。
そこで得た(出てきた)成果をもとに評価しましょう。
個人が変わりたいと思うのは簡単で、本人が身軽にパッと変われますし、実行するのは案外簡単です。
が、企業が変わるにはトップが改革を断行する勢いがないと変われません。
いろいろな意見がある人たちを丸め込まないといけませんから。
なので、1個人が簡単に変わる速度に全く追いつくことが不可能なレベルです。
優秀な方はさっさと行動に移して変えていきます。変わり身は本当に早いです。
試験が受けられる時までに転職されては元も子もありません。
その人を繋ぎ止めることがいかに難しいか、理解してください。
だから、経営者のみなさんは四の五を言わずにさっさと行動してください。
特に中小企業だと、1度いなくなった人材を補えずにギリギリのところで踏ん張っている状態の会社が多いとおもます。
現在30代の建設コンサルタント業従事者は、資格持ちじゃなくてもそもそも頭数が足りてません。
大手建コンも人材獲得に向け、中途社員の獲得に結構な金をかけています。
そもそも企業規模、ネームバリューの面で劣るのに、中の制度もボロボロじゃ集まるものも集まりません。
1度いなくなった若手社員と同等の人材を補うことはほぼほぼ不可能と思ってください。
コロナ前から建設業界は5.6倍の求人があります。
(リクルートキャリアの人から聞きました)
これは店主が技術士取る前からこれです。
この業界に居続けることを希望すれば、求人自体はあるので(ブラック企業も中にはありますが…)選びたい放題です。
技術士やRCCMを取ったらどうなるか、想像がつくでしょう。(確実に年収は上がる筈です)
だからこそ、中小の建設コンサルタント会社はいかに人材を繋ぎ止めるかが鍵なのです。
仮に優秀な人材に辞められても、成長のためなら仕方ないとどこかで言ってあげてください。
(1社目の社長からはオフレコでそう言ってもらえたので、かなりホッとした記憶があります)
できれば、離職しても帰って来れるパスみたいなものを発行し、戻って来れる
仕組みを作るのも手です。その時は周りも歓迎しましょう。
いかがでしょうか。悩んでいる経営者の方も多いはずです。
もちろん、これを読んだ方でキャリアを考えたくなった方もいることでしょう。
鈴木Booksカルチャーセンター部では、そんな悩める経営者の方への支援でもないですが、ご相談に乗ります。
お問い合わせページから連絡をお願いします。
もちろんですが、悩める普通の社員さんも大歓迎です。
みなさまの環境や状況が改善されることを祈ります。