令和8年度試験からコンピテンシー要件が変わります。

query_builder 2025/12/03
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このブログ記事は、Youtube動画https://youtu.be/eBKyo_pbimを要約しています。もしよろしければ、動画もご覧ください。  


最近、技術士第二次試験を受験される方にとって、ひとつ大きな変化があります。

それは「コンピテンシー (資質能力)」の要件定義が「改訂版コンピテンシー」として更新され、2026年(令和8年度)以降の試験から適用される予定である、ということです。


この改訂は、単なる文言の追加だけではなく、時代の変化、社会・技術の発展を見据えた「実践力・総合力」をより明確に問うものです。以下、本稿では「何が変わるのか」「それにどう備えるべきか」を整理してみます。


✅ そもそもコンピテンシーとは?

  • コンピテンシーとは、資格としての「知識」だけでなく、技術士が実務を通じて示すべき「資質」「能力」のこと。例えば、専門知識だけでなく、問題分析力、コミュニケーション、倫理感、継続研さん (CPD) などを含みます。

  • 現行では、以下の 8 項目がコンピテンシーとして定められています。

    1. 専門的学識

    2. 問題解決

    3. マネジメント

    4. 評価

    5. コミュニケーション

    6. リーダーシップ

    7. 技術者倫理

    8. 継続研さん (CPD)

これらは、従来からの学識や技能に加え、「社会的責任」「将来への適応力」「協働力」など、技術者としての総合力を測る評価軸として位置づけられてきました。


🔄 何が変わるか — 改訂ポイント

2025年初頭に公表された改訂版コンピテンシーでは、既存の項目の定義内容が次のようにアップデートされています。

項目主な変更点/強化点
問題解決「必要に応じてデータ・情報技術を活用して定義し、調査する」という文言が追加。従来の経験や理論だけでなく、データやITを駆使した問題分析が明示されるように。
さらに、「多角的な視点でステークホルダーの意見を取り入れながら」解決策を考えることが強調。
コミュニケーション単なる対話や報告にとどまらず、「情報技術を活用したコミュニケーション (メール、チャット、オンライン会議など)」が明記され、「明確かつ包摂的な意思疎通と協働」が求められるように。
技術者倫理従来の「社会・文化・環境への配慮」に加えて、「経済への影響」や「持続可能な成果の達成」に言及。つまり、技術の社会的、経済的、環境的インパクトを広く捉え、次世代を見据えた倫理観と責任ある行動が強調されるようになった。
継続研さん (CPD)従来の「知見の維持・向上」に加え、「新しい技術とともに絶えず変化し続ける仕事の性質に適応する能力」を育むことが明記。つまり、変化の速い技術環境において“学び続ける姿勢”が必須に。

こうした変更は、単なる“試験対策”だけではなく、実務で必要とされるリアルな能力や姿勢を、より重視する方向への転換を意味します。


🎯 これからの受験戦略に必要なこと

この改訂を踏まえ、今後の受験者が合格するためには、これまでの「過去問対策」だけでは不十分です。合格を勝ち取るには、以下のような準備が不可欠だといえます:

  • データやIT、現代的な技術ツールを使った問題分析を意識した学習 — 単なる理論や経験だけでなく、情報技術を適切に使って課題を整理・提案できる力。

  • 利害関係者 (ステークホルダー) を想定した、多角的思考 — 技術だけでなく、社会、経済、環境、関係者の価値観などを含めた総合的な判断が求められる。

  • 技術者倫理と社会的責任の理解 — 環境・経済・文化・法令などの多面的な配慮を前提とした答案や口頭回答。

  • 継続的学び (CPD) の実践とその姿勢 — 試験勉強だけで終わらず、技術の変化に対応し続ける意識。

  • 応用力・柔軟性・実務経験の整理と可視化 — 単なる知識暗記ではなく、「自分の経験」や「考え方」を整理し、適切に表現する訓練。


📝 なぜ今この改訂が起きたのか — 背景

  • 技術の高度化・複雑化、また技術者の業務が専門領域を越えて多様化・融合化する現代において、“専門知識だけ”では対応できない課題が増えているからです。

  • また、国際的な基準である International Engineering Alliance (IEA) による「Graduate Attributes / Professional Competencies」に準拠し、日本の技術士制度の国際的通用性を高める狙いもあります。

  • つまり、国内にとどまらずグローバルな技術環境への適応、変化対応力、社会・経済・環境に配慮した技術者としての「総合力」がこれまで以上に重視されているのです。


💡 だからこそ、今こそ“本質的な学び直し”を

もしあなたが今、技術士第二次試験を目指しているのであれば ——

「過去問をただ繰り返す」
ではなく、
「社会と技術の接点、社会課題、将来の変化、倫理、経済性、環境、関係者の多様な価値観……」

これらを視野に入れた “本質的な思考” を、答案にも、口頭にも、そして日々の学習にも取り入れたほうが、合格の可能性は確実に上がります。

また、もし仲間と議論したり、実務経験を整理したりできるなら、それは大きなアドバンテージになるはずです。


✉️ 最後に — 受験者へのメッセージ

技術士制度は、単に「技術を知っている人」を評価するものではありません。

これからは、 「変化し続ける社会と技術に対応できる力」「多様な価値観・関係者と協働できる力」「社会全体を見据えた倫理観と責任感」 を兼ね備えた「総合技術者」が求められています。

だからこそ、あなたの勉強も、ただ「合格のための暗記」ではなく、
「将来の社会」「自分の仕事」「自分の存在意義」 に向き合う準備 — だと思ってほしいです。




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