新入社員の採用について

query_builder 2024/08/27
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今日は試験の話と打って変わって、人材の採用について考えてみたいと思います。


と言うのも、先日店主の勤めている会社にインターンの学生さんがやってきました。

当然ですが、インターンの方なので、複雑な作業をさせるわけにはいきませんが、作業自体は簡単なのか、割と早く終わってんなぁって言う印象がありました。


正直なところ言いますと、売上10億円規模の会社だと、業界内でよほど尖った絶対的な強みとかのある業務をやっていない限り、基本的に簡単な業務が多くて、大卒の土木を出た子たちにとってはとても退屈な会社なんだろうなと思いました。

やはり、何かしら大きなものにはやってみたいと思うのが、人間です。

人生1度はやはり大きなプロジェクトとかに携わってみたいし、安定的に給料が欲しいと思います。


建設コンサルタント業界は超人手不足業界で、おそらくどんなレベルの方でも、求人が5倍ぐらいあるんじゃないかって言われてるくらいの業界です。

(ちなみにですが、店主が転職活動した時は、技術士を持っている人がほぼ転職市場に出て来ないせいか、知り合いの人材コンサルタントから「店主さん、一年留学してもちゃんと席はあるから大丈夫」と言われた位です。)

そんなわけで、超が5個くらいつく人手不足業界で、新入社員がやってくるのはとてもつもなくありがたい話です。


現在、雇用保険がかなり改正されています。

これまで自己都合退職後3ヶ月で失業保険が支給だったのが、2020年に2か月に改正、そしてこれが今回、令和7年4月1日以降は「1か月に短縮」、さらに、自ら教育訓練を行った場合は「給付制限すべてが解除」になることが決定しています。

どういうことかわかりますか?


さらに追い打ちをかけるように、最低賃金も現在大幅に上がっており、去年も50円近く(正確には43円)、今年も50円上がります。

たかが50円、されど50円です。1日8時間、月に20日働いている場合、1年で9万6000円賃金が上がります。

しかも賃金だけではなく、会社は社会保険も負担してますので、96,000円分増加した社会保険料も併せて負担します。なので従業員一人当たりで鑑みると150,000円近く上がる計算です。(店主の試算)


この2つは、特に中小企業にとってはとてつもなく大きな問題のはずです。そして、この施策はどう考えても効率の悪い会社や悪い業界から、成長する業界への労働移動を促すものとしかとらえられないような気がします。

(要は、建設コンサルタント(特に中小)にとっては、更に不利になるような労働施策が行われつつあること。)


これは店主の近所の話ですが、東京の最低賃金は1163円ですが(令和6年10月から)、すでに多くのスーパーやキッチンオリジンは(そこは実名出すんか…)は1200円です。

さらに、うちの近所のマクドナルドも東京都の最低賃金でしたが、1200円に上がりました。

また、地方でも人が集まらない業界は、最低賃金で募集していない業界も増えています。それだけ人手不足です。

そしてもう1個言うと、建設コンサルタントの場合は、スーパーのレジ打ちやハンバーガーの製造のようにマニュアル化されておらず、一人ひとりの技術者の力が本当に鍵を握ります。新入社員を育てるのに、3,4年どころの騒ぎでないくらい時間がかかります。


ただでさえ少ない入職者をきちんと育てないと、会社としての投資リターンはありません。

その辺は「経営者の問題でしょ」と言われればそれまでですが、少なくとも現場でもちゃんと育てるということだけは意識した方が良いかと思います。

60歳を過ぎて、自分の部下が全く育っていない現実を見たいですか?

自分の仕事を属人化させるのは、上司の仕事ではありません。

上司の仕事は、いかに仕事を抱えずに人をちゃんと育成するかにかかっています。

もう1個言うと、それが会社の力です。

おそらく業績がそれなりに好調な会社はいっぱいありますが、雰囲気の良い会社と言うのは、コミュニケーションがきちんと取れ、心理的安全性が保たれているはずです。


最近見ている経営関係のYoutubeでは、「中小企業は新卒採用をしないで、業務委託で何とかする。」ということを主張している方もいます。

それはそれでいいのですが、少なくともこの業界は合わないです。

なぜって、元請けで取りたければ、有資格者は会社で直接雇用しないと自社で受注すらできないので。有資格者がいないと厳しいです。

ということは、有資格者になるまでは新卒だろうが、第2新卒だろうが、きちんと育てる必要はあります。


これは店主の推測ですが、建設コンサルタントで生き残れる会社は、きちんと人材育成ができるか、です。

中小企業規模になればなるほど、その傾向は顕著になるかと。

その次は、有資格者(最低でもRCCM資格保有者)の頭数をきちんと揃えられるか。


繰り返しますが、新卒採用は非常に困難を極めています。

(ちなみに店主の会社の惨状は悲惨です…)

採用がきちんとできているのは、大手建コンくらいです。(大手建コンの場合は、20代のうちに8割やめるのでそれはそれで別の問題あり。)

そこから下は、何とか埋めていくという状況で、売上10億円未満は会社にもよりますが、そもそも求職者が来ないという事態に陥っているかと。


店主はこの業界を非常にお勧めしております。

まぁ簡単に言うと、自分の身近なインフラが、自分の手で変わると言う経験はとても面白いですし、やはり完成したものを見るのはいろいろあったけどよかったと思えるものがあります。

それは様々な規模の業務に携わっても、どれも一緒です。


こんな超人手不足業界に入ろうとしてくださる方に言う事は、ただ1つ。

「あなたをきちんと育てる」とちゃんと求職者に示す気概のある会社に入ってください。

それでも、そこに入っても上司ガチャに外れれば大変なことになるかもしれません。

しかし、それでもあなたが少しでもいいから上達したいと思うのであれば、きっと道は開けます。場合によっては、上司ガチャを超えてんの出会いがあるかもしれません。


そして、新入社員を受け入れているみなさま。

愛をもって、その人の成長を願って、ためになるような知識・経験を伝授しましょう。

少なくとも、そんな上司や先輩に出会えるかで、その新入社員の今後の労働者人生、技術者人生が間違いなく変わります。




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